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大会長挨拶

第43回医療情報学連合大会
大会長 松村 泰志
(国立病院機構大阪医療センター 院長、大阪大学名誉教授)

 第43回医療情報学連合大会の大会長を勤めさせて頂くことを大変光栄に思います。私は大阪を拠点として活動しておりますが、本大会は神戸の六甲アイランドにあるファッションマートにて開催いたします。オシャレな都市神戸、その中にあるファッションをテーマとした街を楽しんでいただければと思います。プログラム委員長に京都大学医療情報学の黒田知宏教授、実行委員長に大阪大学医療情報学の武田理宏教授にお願いし、関西の医療情報を担当されている方々の知恵と力をお借りして、良い大会にしたいと思います。

 テーマを「医療情報の安全な流通と活用」としました。私が医療情報領域に足を踏み入れた頃は医療情報の全てが紙で管理されていました。私達は、これを徐々にデジタル管理に置き換え、遂にペーパレス電子カルテを実現させました。しかし、その達成感に浸っていたのは束の間でした。世界は、次の課題に向けて動いており、既に成果を挙げつつあります。次に取り組むべき課題はたくさんありますが、その中でも、医療情報を安全に流通させ、データを有効に二次活用できる環境を整備する課題が重要です。この課題は、多くの異なる立場の人達でしっかり議論し、協力し合うことで初めて実現できることと思いますので、これを本大会のテーマとしました。

 人の生涯では、健診を受け、病気が見つかると医療を受け、身体機能が弱ってくると介護を受けます。その時々で、その人に関する医療情報が発生します。その内重要な記録は、個人毎に保管し、必要な時に閲覧できるようにすべきです。また、その時々で、その個人のケアに関わる人は複数の施設にまたがり、その人の医療情報を共有することで質の高いケアが効率良く実施できます。情報はそれを必要とする人に伝わってこそ価値があります。一方、個人の機微な情報ですから、ケアに関わる人以外が見ることで、その人の尊厳が損なわれる危険性があります。「医療情報の安全な流通」とは、医療情報を、セキュリティーを確保した上で、時間、空間の壁を超えて必要な人に届けることを意味しています。

 医療の発展のためには評価することが重要です。評価がないところに発展はありません。臨床研究では、ある病気を持つ人を治療法A、治療法Bで治療して、期待される結果(アウトカム)について、どちらが優れているかを比較します。将来は、医療機関Aの治療と医療機関Bの治療でアウトカムが比較される時代になるかもしれません。正しく評価するためには、評価する課題を明確に定義し、必要とするデータを収集する必要があります。アウトカムは生死だけでなく、生活の質を含めるべきと言われています。そうなると個人の生活の質を測り、データ化することが必要になってきます。医療情報を評価に活用するためには、閲覧すること以上に様々な工夫が必要となります。

 この領域において、日本は世界の先進国から遅れをとっていると言われています。スタートダッシュで遅れをとってしまったかもしれませんが、数歩遅れた程度と思っています。ゴールはまだだいぶ先にあります。皆さんで知恵を出し合い、しっかり議論し、確実にアクションしていけば、追いつき、追い越すことはできると思います。本大会が、そのひとつのきっかけになってくれることを期待しています。

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